• 扁平上皮癌は、初期の段階では皮膚の炎症や小さな傷のように見えることがあります。しかし、通常の傷と異なり、数週間経っても治らず、かさぶたができてもすぐに剥がれてしまうような場合は注意が必要です。特に、紫外線を多く浴びる部位に発生した場合は、皮膚がんの可能性があるため、診察を受けることが推奨されます。
• 扁平上皮癌は、最初は小さなしこりや赤みを帯びた斑点として現れることが多いですが、時間が経つにつれて大きくなり、表面が硬くなってくることがあります。触るとザラザラしていたり、硬さが増していたりする場合は、悪性腫瘍の可能性があるため、慎重に観察する必要があります。
• 進行すると、患部が潰瘍化して出血しやすくなり、痛みを伴うことがあります。特に、触るだけで血が出る、痛みが強くなっている、周囲の皮膚が腫れている場合は、扁平上皮癌の可能性が高いため、速やかに診察を受けることが重要です。
• 口の中、舌、喉、食道、子宮頸部などの粘膜にも扁平上皮癌が発生することがあります。口腔内では白や赤の斑点、盛り上がったしこりとして現れ、次第に潰瘍を伴うことが特徴です。喉や食道では飲み込みづらさや違和感が続くこともあります。このような症状が持続する場合は、専門的な診察が必要です。

• 皮膚や粘膜に発生した病変については、視診やダーモスコピーによる詳細な観察を行います。疑わしい場合は、局所麻酔を用いて病変の一部を採取し、病理検査（生検）を実施してがん細胞の有無を確認します。病変の大きさや進行具合を把握するため、必要に応じて超音波やCT検査を行うこともあります。
• 扁平上皮癌の治療では、基本的に腫瘍を外科的に切除することが第一選択となります。早期であれば、がんを含む周囲の皮膚ごと取り除くことで根治が可能です。切除範囲はがんの大きさや進行具合によって異なり、場合によっては傷の修復のための皮膚移植が必要になることもあります。
• 扁平上皮癌は、適切な治療を行っても再発することがあるため、定期的な診察が必要です。特に、一度発症した方は、新たに皮膚や粘膜に異常がないかを注意深く観察することが重要です。また、紫外線対策を行い、日焼けを防ぐことが発症予防にもつながります。
• 扁平上皮癌の発症には、長年の紫外線曝露、喫煙、飲酒、ヒトパピローマウイルス（HPV）感染などが関与しているとされています。そのため、日常的に日焼け止めを使用する、帽子や長袖を着用する、禁煙・節酒を心がけるなどの予防策を取ることが大切です。特に、過去に皮膚がんを経験した方や高リスク群の方は、注意が必要です。

扁平上皮癌

扁平上皮癌は、皮膚や粘膜の表面にある扁平上皮細胞ががん化する悪性腫瘍の一種です。皮膚がんの中では比較的頻度が高く、日光に当たりやすい顔、手の甲、耳、首、唇などに発生しやすいとされています。また、口腔内や喉、肺、食道、子宮頸部などの粘膜にも発生することがあります。最初は小さな赤みを帯びたしこりやただれとして現れ、徐々に大きくなったり、潰瘍ができたりすることが特徴です。進行すると周囲の組織へ広がり、リンパ節や他の臓器へ転移する可能性もあるため、早期発見と適切な治療が重要です。

• 腫れ
• しこり
• 発疹

皮膚科

神田医院 院長からの「扁平上皮癌」について

里井 重仁

医学博士 神田医院 院長

ここで紹介した対処や治療法は、あくまで一般的な例です。
扁平上皮癌はさまざまな原因によって引き起こされるため、一人ひとり適切な診断と治療が重要です。
扁平上皮癌と思われる症状が続く場合や心配な点がある場合は、早期にご相談ください。
当院では神田、秋葉原、日本橋エリアの患者様をはじめとして扁平上皮癌の専門的な診断・治療を行っています。